本を読むよ

読書ブログです。サイト(www.garunimo.com)も運営しています。

「幸福の資本論」を読んだ

「幸福の資本論」っていう本を読んだ。

 

 

私はこの本の著者の橘玲さんのファンで、この人の本を何冊か持ってるんだけど、橘玲さんの本の中で一番好きなのは、この「幸福の資本論」だ。

 

この本の中で「幸福」のための土台として「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つが提唱されており、これを3つとも持っていない人間が不幸になるそうだ。

 

「金融資産」とは分かりやすく言えばお金のことであり、これを十分に持っていると人間は「自由」を手に入れることができる。

 

「人的資本」とは分かりやすく言えば労働のことであり、人間はやりがいのある仕事を行うことで「自己実現」を手に入れることができる。

 

「社会資本」とは分かりやすく言えば人間関係のことであり、人間は友人や恋人とつながることで「共同体=絆」を手に入れることができるのだ。

 

そして、著者が言うには、これを3つとも持つのは基本的には不可能(非現実的)なんだそうだ。なので、このうちの2つをもつことを目指すべきなんだってさ。

 

「金融資産」に関しては私はそこそこ持っていて、そして確かに「自由」をそこそこ享受出来ている。

 

でも、私は「人的資本」と「社会資本」を持っていない。

 

「人的資本(労働)」に関しては、正確には「やりがい」だけでなく「給料」も関係してくる。著者はこの本の中で日本のサラリーマンという雇用制度を批判するのと合わせて、労働には三種類の仕事があると言っている。すなわち「バックオフィス」「スペシャリスト」「クリエイター」だ。

 

「バックオフィス」は会社の事務職や製造業の人間など、昔は一定の技術や能力が必要だったが、現在ではマニュアル化やAIの発展・機械化などにより、特殊技能が不要となった仕事のことで、ここは将来的に海外の安い労働力やAIに置き換わる。また、仕事にやりがいを感じづらく、この労働をしている人は基本的に労働以外に幸せを見出しているそうだ。

 

スペシャリスト」は弁護士や会計士などの特殊技能の必要な仕事のことだけど、給料に上限がある(拡張不可能である)。

 

「クリエイター」は映画や本や音楽やプログラムを作成する仕事のことで、これらはコンテンツをほぼゼロコストで複製することにより、給料に上限がない(拡張可能である)。

 

で「理想的には『クリエイター』を目指すべきだけど、そもそも『クリエイター』になれる可能性ってかなり低いよね。『バックオフィス』でも気の持ちようで仕事にやりがいを持つことは出来るんだけど、バックオフィスが仕事にやりがいを感じると、企業にやりがい搾取されがち」みたいな話がされていく。

 

あなたは多分「クリエイティブ」な仕事がもっともやりがいを感じることが出来るのはなんとなく理解できるんじゃないかと思う。私も働いている時は「何かを作る仕事がしたいな」と思ってプログラマーしてたし。

 

ただ、この本で著者は拡張性があること(給料に上限がない仕事のこと)を特に「クリエイター」として定義しているけれど、個人的には拡張性がなくても何かを作る仕事って楽しいと感じる。皆さん、小学校の頃図画工作とか美術の授業って好きじゃなかった?「手先が不器用だから苦手だった」っていう人もいるかも知れないけど、「ゆっくりマイペースに作成していい」「どんな不格好な作品でも良い」って言われたら、やっぱり楽しいと思うんだよね。私も手先が不器用だけど好きだったし。

 

たとえば「ブタの置物」を粘土で作ったり、「なんかノリノリでピカソっぽい絵を描く」って楽しいじゃん?「そもそもそんなものはお金にならない」ということに目を瞑れば何かを作ること自体って結構楽しいと思うんだけど。

 

ただ「自己実現」っていうのは「その仕事が楽しい」だけでは駄目で「それを行うことできちんと社会と関わることが出来、かつお金をもらうことができる」ことも含めて、初めて自己実現というんだろう。

 

アーティストは幸福度が高いそうなんだけど、私も出来ればアーティストになりたかった。「ブタの置物」とか「なんかノリノリで描いたピカソっぽい絵」を売ることで生計を立てたかった。

 

もちろん、今私は「自由」なのでアーティストになることに挑戦してもいいけど、アーティストとして「ブタの置物」や「なんかノリノリで描いたピカソっぽい絵」を売ろうと考えた時に思うことは、「私ってそもそも個人で『ブタの置物』や『誰かが描いた絵』を買ったことがないんだよね。私がそもそも買ったことがないっていうことは、普通の人もそもそも『ブタの置物』とか『誰かが描いた絵』をあんまり買わないんじゃないだろうか」ということだ。

 

正確に言うと、例えば子供の頃恐竜博物店に行った時に恐竜の置物を買ったことがあるし、誕生日に姉が小さい絵を買ってプレゼントしてくれたことがある。だから、全く買わないっていうことはないけど、それって多分「リアル店舗に行ってその場の空気も感じつつ買う気になった」んだと思う。現実的に考えると私は自分が作ったものをネットで売ることになると思う。ネットで売ることの最大の弱点は、その場の空気感をつくれないということだ。

 

いや。待て。確かにAmazon楽天だと売れないけど、その場の空気感とか世界観は自分自身がウェブサイトを作成することで作れるんじゃないだろうか。例えばtwitterを見てると「漫画」を投稿してる人が結構いるけど、そういう絵や漫画でサイト上に世界観を作って、それに関連するオリジナルキャラクターを粘土や絵で作れば、売ることは出来るんじゃないだろうか。猫のダヤンとか有名だし。

 

よし。これや……。

 

話がそれた。

 

最後は「社会資本」だけど、多分みんな「社会資本って人とのつながり、コミュニケーションのことでしょ?そりゃあればあるほど良いよね!」って思うかもしれないけど例えば世の中には「関わり合いたくない人」とかいるじゃん?あと、別に「関わり合いたくない人」じゃなくても「最初は仲が良かったんだけど、色々あって段々つきあいが面倒くさくなってきた」的なこともあるじゃん?だから著者は「『他人と濃くつながる』のも確かに良いけど『他人と薄くゆるくつながる』っていうのもアリだよね」って言ってる。

 

さて、みなさんご存知の通り私はコミュ障です。ということは「他人と薄くゆるくつながる」が私にとって正解な気がするけど、そもそもコミュ障は『他人と濃くつながる』ことは当然無理だし『他人と薄くゆるくつながる』も不可能なんじゃないだろうか。コミュ障だし。

 

迫りくる!孤独死の危機!!

 

というふうに、結構面白そうな本でしょ?実際、橘さんの書籍の中では読みやすい方の本だし面白いよ。興味があれば読んでみてください。